仕事と健康

健康に働くためのヒント

各食事におけるナトリウム、カリウム、およびリピッドの摂取と血圧の関連

Association Between Na,K,and Lipid Intake in Each Meal and Blood Pressure

Front. Nutr., 04 March 2022
Sec. Nutrition, Psychology and Brain Health
Volume 9 - 2022 Imamura et al.

この論文は、食事記録アプリ「Asken」を利用している約2,400人のユーザーから得た栄養摂取データと血圧に関する質問票の結果を分析し、朝食、昼食、夕食のタイミング別に栄養摂取と血圧の関連性を調べた研究です。

要約すると以下の通りです。

  • Na/K比、脂質、アルコール摂取量と血圧には正の相関があり、食物繊維摂取量とは負の相関があることが再確認された
  • しかし、摂取タイミングの影響についてはあまり知られていない
  • 昼食のNa/K比、夕食のエネルギー・脂質・飽和脂肪酸と血圧には正の関連があり、朝食のタンパク質、昼食のカリウム・食物繊維と血圧には負の関連があることが明らかになった

以上から、ナトリウムとカリウム、脂質の摂取タイミングを変えることが高血圧予防に有効である可能性が示唆されました。ただし、各栄養素の摂取タイミングが血圧に与える効果を調査するためには、将来的に介入研究が必要です。

以上の結果から昼のカリウム摂取は高血圧予防に有効である可能性があります。すなわち昼は果物や野菜中心の食事がいいと思われます。朝のタンパク質摂取とともに考慮に入れておくと良いかもしれません。また、夜の脂質、飽和脂肪酸摂取は控えるべきと思われます。

飽和脂肪酸を多く含む食品には、以下のようなものがあります:

  1. 肉類: 牛肉、豚肉、羊肉、鶏肉などの赤身や白身の肉には飽和脂肪酸が含まれます。特に脂身の多い部位や皮付きの肉には比較的多くの飽和脂肪酸が含まれることがあります。

  2. 乳製品: チーズ、バター、ホイップクリームなどの乳製品にも飽和脂肪酸が含まれています。全脂乳やクリームの製品は、比較的高い割合で飽和脂肪酸を含んでいます。

  3. 油脂: ココナッツオイル、パームオイルなど、一部の植物油も飽和脂肪酸が多く含まれます。これらの油脂は調理においても使用されるこ

とがあります。

  1. 菓子や焼き菓子: クッキー、ビスケット、ケーキ、チョコレートなど、多くの菓子や焼き菓子にはバターやショートニングからの飽和脂肪酸が含まれることがあります。

  2. 揚げ物: 油で揚げた食品も飽和脂肪酸を多く含むことがあります。フライドチキンやフライドポテトなどがこれに該当します。

適度な量で摂取される飽和脂肪酸はエネルギー源として重要ですが、摂り過ぎると心血管疾患などの健康問題のリスクが増加する可能性があります。バランスの取れた食事を心掛け、飽和脂肪酸の摂取量に注意することが重要です。