仕事と健康

健康に働くためのヒント

2024-01-01から1年間の記事一覧

自閉症、不安、肥満、統合失調症、パーキンソン病、アルツハイマー病などにおける腸内細菌群の関与

自閉症 自閉症スペクトラム障害(ASD)においては、腸内細菌群の異常が行動や認知機能に影響を与える可能性が示されています。研究では、ASDの子どもたちに特定の腸内細菌の変化が見られ、これが免疫応答や神経伝達物質の異常に関連していることが示唆されて…

イヌリンが高血糖の予防や治療に役立つ可能性

イヌリンが高血糖の予防や治療に役立つ主な機序は、腸内微生物の改善を通じて体内の代謝プロセスを正常化することです。具体的には、以下のような効果があります: 腸内フローラの改善: イヌリンは腸内の善玉菌であるビフィドバクテリアやバクテロイデス属を…

視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸-オキシトシンモデル

「視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸-オキシトシンモデル」とは、ストレス反応と幸福感の調節に関与する生物学的メカニズムを示すモデルです。このモデルは、人間の脳内でのオキシトシンの役割とそのストレス反応における視床下部-下垂体-副腎軸との相互作用を…

不眠対策

不眠症は一般的ですが、しばしば診断されず、十分に治療されない状態です。それは睡眠の開始や維持に関する問題を伴い、日中の機能への重大な影響を及ぼす可能性があります。不眠症の治療には、非薬理学的介入(睡眠衛生の改善、認知行動療法)と薬理学的療…

音楽がストレスや免疫機能に関係する

音楽が免疫システムに及ぼす影響についての詳細は、音楽が心理的ストレスを軽減し、結果として心血管系と内分泌系へのストレス反応を減少させる方法に関連しています。音楽は心拍数、呼吸率、発汗などの自律神経系を変化させることが示されています。多くの…

プシコバイオティクス(Psychobiotics)

プシコバイオティクスは、2013年に提案された、精神障害、特にうつ病を含む精神疾患に苦しむ人々に利益をもたらすことができるプロバイオティクスの一種です。プシコバイオティクスは、腸内微生物によって有益な物質に変換される能力を持つ、適切な量の有益…

腸脳相関と精神障害

最近の研究で、ストレス、出生モード、プロバイオティクスの使用、生活習慣、食事など多くの因子が腸内フローラに影響を与え、それが脳機能に影響を及ぼす可能性が示唆されています。また、腸内フローラ(腸内細菌叢)の変化がうつ病、統合失調症、双極性障…

生活習慣病の予防①生活習慣と精神疾患の予防

生活習慣によって引き起こされる疾患には心血管疾患、がん、糖尿病などの慢性病をはじめ、精神疾患に至るまで幅広く、存在します。逆に言うと、適切な生活習慣によって、予防できる疾患も多いということになります。では、適切な生活習慣とはどのようなもの…

19世紀末の鉱山の労働と健康⑤生野鉱山の鉱夫共済組合病院

1890年、明治政府は鉱業条例を制定し、鉱夫が就業中に負傷した場合の救済を決めているが、業務上の疾病に対しての救済は1906年の鉱業法を待たなければならなかった。しかし、これもまだ、不十分なもので、友子同盟のような江戸時代からの労働者自身…

19世紀末の鉱山の労働と健康④生野銀山の塵埃吸引病、鉱夫肺病ー佐藤英太郎の「鉱夫肺病」

1890年、先に触れた坪井次郎の教え子であった、生野の開業医、佐藤英太郎は「鉱夫肺病に就いて」という論文を発表している。その中で「 恩師坪井助教授 八 奥羽地方 山衛生的要 件 二就テ研究セラ レ其報告ヲ束京医学会二於テ演 説 シ鑽山 疾病トシテ外…

19世紀末の鉱山の労働と健康③生野銀山の塵埃吸引病、鉱夫肺病ー坪井次郎の塵埃吸引病

明治になるとほぼ同時期に生野銀山では近代化が図られ、フランス人技師が招かれ、フランス人技師のためのフランス人医師が雇われましたが、この時期にはじん肺についての記録は残っていない。じん肺が近代的な医学論文に現れるのは1890年になってからで…

19世紀末の鉱山の労働と健康②明治の鉱業法制

高島炭鉱問題は当時の炭鉱の悪い一例で、坑内労働はどこも劣悪な労働条件でした。このような状況に至った明治の鉱山法制がどのようなものであったのか、を見ていきます。まず、明治新政府は明治二年二月,行政官布告一七七号を出し,全国の鉱山に対ーする新…

19世紀末の鉱山労働と健康①高島炭鉱問題

高島炭鉱は長崎県西彼杵半島の西側にある高島という小島に存在した炭鉱です。 高島炭鉱は江戸時代から佐賀藩の管理下にあり、藩の許可を得た商人が経営していた。 1868年、佐賀藩とイギリスのグラバー商会が共同で高島炭鉱を経営する日英共同経営が始まった…

明治期のマッチ工業とりん中毒

富国強兵を国是とする明治政府にとって輸出産業を盛んにする必要があり、当時主要産業であった生糸に着目するのは当然で、フランス人技師ポール・ブリューナを招いて群馬県富岡市に1872年、日本初の機械製糸工場が創業を開始したことはよく知られている…